「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】浸水で営業を休止している一部店舗の駐車場で、移動販売車両による商品の販売も行いました
* * *
熊本や大分、鹿児島などの九州地方、そして岐阜、長野など広い範囲を豪雨が襲い、甚大な被害をもたらしました。今回の豪雨では、ローソンでも一時、21店舗が休業しました。被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。 熊本や大分、鹿児島などの九州地方、そして岐阜、長野など広い範囲を豪雨が襲い、甚大な被害をもたらしました。今回の豪雨では、ローソンでも一時、21店舗が休業しました。被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
これまでもローソンは、災害が発生したら、グループを挙げて被災地を支援してきました。何より先に加盟店のみなさんの安全を確保するため、避難指示が出たエリアでは速やかに店を閉めて避難していただくよう伝えています。その後、豪雨や揺れなどの災禍が落ち着き次第、復旧に向けて各地から本部の「応援隊」を派遣してきました。
ところが、先日の豪雨では新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され、全国から人を集めることが難しい状況に。地域ボランティアの方も思うように動けず、苦労されたと聞きます。幸いローソンでは、被災した店舗にサポート態勢を組むことができました。ただ、今後さらなる災害が起きたときに備えた支援態勢も必要だと痛感しました。
災害が起きると思うように物資が輸送できないといった問題も起きますが、各エリアに物流網とセンターを持っているため、ローソンは比較的小回りもききやすい。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震が起きたとき、「ローソンが一つ開くだけで、安心する」という声を多くいただきました。店の復旧は、街(マチ)に日常が戻ることにもつながります。物資支援も大切です。おにぎりは不思議なもので、届いたと聞いただけで、「元気が出た」とおっしゃる方が多くいます。
今回大変な状況下で、少しでも心が落ち着くためのお手伝いができればと水2リットルを約1千本、カップ麺を約1千個、他にも食品や日用品など約2500個をお届けしました。今後もインフラとしての役割をしっかり果たしていきたいです。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
※AERA 2020年8月3日号