最後に、「ジョーンズ骨折」について説明しましょう。ジョーンズ骨折は、足の小指の根元に起こる疲労骨折です。第五中足骨基部疲労骨折が正式な名称です。サッカーやラグビー、バスケットボールなど、フェイントをかけるため走りながらステップを切る動作が多い競技において、足の外側に負荷が繰り返しかかることにより骨折が起こります。欧米よりも日本人選手に多くみられ、O脚が多いことが原因であると言われていますが、パス回しの多い日本のプレースタイルが影響している可能性も考えられるかもしれません。

 ジョーンズ骨折の場合、日常生活の歩行には問題がないものの、痛みがあって、スポーツをするには支障があります。治療期間は2、3カ月を要し、手術か保存療法を選択します。保存療法は長期間固定が必要なうえ、この部位は血流が少ないので効果が得られにくく、再発リスクをともなうため、Jリーガーなどスポーツ選手の場合はほとんどが手術をおこなっています。手術は、骨の中に人工のスクリューを永久的に入れて固定する方法が一般的になっています。手術時間は1時間程度、入院期間は一般的に3~4日程度です。スクリューを入れる角度や深さなど技術が必要なため、経験と知識のある医師にかかるとよいでしょう。

 以上三つの病気について解説しました。いずれにおいても、練習や試合の前後の十分なウォームアップとクールダウン、からだの負担が少ないフォームへの改善、選手のからだにあわせた負荷や運動量の調整などを心がけることが大切です。スポーツ障害を防止して、選手たちには痛みを抱えることなく競技に専念してほしいと思います。

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