最近では、コンビ間で力の差があったり、片方のキャラクターが目立っている場合には、片方だけがテレビに出ることも多い。だが、かまいたちは今のところコンビ単位での出演が多い。それぞれの実力が高く、2人で出ているときに最も良さが出ていると思われているからだろう。この点も千鳥に似ている。
第七世代の若手芸人が実力とフレッシュさを売りにしているのに対して、かまいたちは100％実力だけを頼りに活躍している。これは、彼らがいずれ冠番組を多数持つような「王道」を行く資格のある芸人であることを意味している。
お笑い界に面白い芸人は無数にいるが、王道を行くことができる芸人は限られている。今まで積み上げてきたものすべてを土台にして、着実にその道を歩んでいるかまいたちに死角はない。（お笑い評論家・ラリー遠田）
ラリー遠田
ラリー遠田（らりー・とおだ）／作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』（白泉社）の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』（ディスカヴァー携書）、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり＜ポスト平成＞のテレビバラエティ論』 （イースト新書）、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』（光文社新書）など著書多数。近著は『松本人志とお笑いとテレビ』（中央公論新社）。http://owa-writer.com/
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