――安倍晋三首相は「説明責任を果たす」と言いながら、国会が終了してから1カ月半、記者会見すら開いていません(インタビューの4日時点)。
安倍総理にあえて言うとすれば、コロナが感染拡大する前はあれだけ能弁だった人が、なぜ自分の口で何も言わなくなったんだ、と。危機の時こそ、リーダーは積極的に話をするべきだ。国民もそれを期待している。
――医師会といえば日本を代表する「業界団体」の一つ。それが政権与党の自民党、総理にも物申す。勇気がいることだと思いますが、どうしてですか。
よく勘違いされるが、私は自民党や医師会を守りたいのではない。私たちは公的なお金を診療報酬としてもらい、都民や国民のための医療を行っている。守りたいのは都民や国民の命。その命が侵されることがあれば、たとえ総理であっても意見を言うのは、当たり前だ。
(構成/編集部・野村昌二)
※AERA 2020年8月24日号