――いま家庭内感染の増加も問題になっています。

 新型コロナウイルスは、発症する2日前から発症後の2日程度が感染力のピークだとわかっています。この感染力が最も高い4日間に家族と接触しうつしているといっていいでしょう。

――しかし「感染経路不明」が5割を超え、どこで感染しているかわからない状況です。

 本当に感染経路が不明な人はそんなに多くない。家庭内で最初に感染した人は、ほぼ間違いなく飲食店かキャバクラのような場所で感染している。本人はわかっているが「恥ずかしい」とかいう理由で言わないだけ。

■特措法改正で休業要請

――では、感染の火種を消し、拡大を収束に向かわせるにはどうすればいいと考えますか。

 三つあります。まず、新型コロナ対策の特別措置法を改正して、強制力のある休業要請を全国のエピセンター化している地域限定で徹底的に行う。具体的には14日間休業してもらう。14日間自粛すれば、そこでの感染は理論的には収まる。その間にその地域のPCR検査を一斉に行い、そこでの感染者がどのくらいかを把握し対策を練る。休業要請を守っていただけないところは、罰則を伴うようにする。休業補償は、きちんとつける。

――しかしそのためのPCR検査は、今の検査能力では追いつきません。

 そこで二つ目の対策は、感染症法を改正してPCR検査を拡充すること。現在、感染症法によって行政が実施する行政検査はすべて保健所の判断で行われるが、保健所の電話回線はパンク状態。また都内には専門外来の他、4月に東京都医師会主導でつくったPCRセンターが約40カ所あるが、7月に入って一部で1日に検査を受けられる人数の上限を超えた所も出ている。しかも、予約が必要だ。

 そこで私が考えているのは、都内全域に1400カ所、人口1万人当たり1カ所の割合で内科系のクリニックを中心にPCR検査を可能にすること。もちろん、原則無料です。すでにいくつかの区で手を挙げてくれている医師たちがいますから、遠からず実現できると思います。

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