――三つ目の対策は何でしょう。
新型コロナ専門病院の設立です。コロナ患者を診るためには、病床をつぶし医師や看護師を集中させないといけないため、他の診察や手術ができなくなり病院の収入が減っていく。すでにコロナの影響で外来患者が減少し倒産した病院もあります。
さらに、時間がかかる入院の調整をスムーズに行うためにも、絶対にコロナ専門病院は必要。都内で言えば、少なくとも500床の病院を四つ、計2千床を「都立」でつくってほしい。これら三つの対策は、東京だけではなく、日本中に求められます。
■今動かなければダメ
――このまま政府が場当たり的ともいえる対応をしていれば、どうなると見ますか。
「GoToキャンペーン」の悪影響がなく、飲食店の営業自粛や小池百合子都知事の働きかけなどが功を奏すれば、今回の東京の波は9月頃には収まる可能性もあるが、問題はその後。
私が心配しているのは、秋からのインフルエンザの感染拡大だ。その時にコロナが流行するのが一番怖い。インフルエンザとコロナが同時に流行すれば、今度こそ医療は崩壊する。そうならないために、すぐに特措法を改正し休業要請に法的拘束力を持たせ、発火点となる場所を徹底的に抑える。政治のスピード感から考えると、今から動かないと間に合わない。
――けれど、特措法の改正にしろ、感染症法の改正にしろ、政府は臨時国会開催に二の足を踏んでいます。国が動かないと法改正もできません。
ですから、私は良識のある国会議員のみなさんに訴えたい。
「コロナウイルスに夏休みはない。一刻も早く国会を開いて、国ができること、しなければいけないことを国民に示して国民を安心させてほしい。それは政治の役割だ」と。
■政府「丸投げ」おかしい
――国は各自治体に丸投げです。
そう。国が各地の知事に強制的に店舗を休業させる権限や補償の財源など、戦(いくさ)でいう「武器」を持たせるなら任せてもいい。しかし武器を持たせず、責任だけ自治体に押し付け文句ばかりを言う。先日、沖縄でコロナの療養ホテルの確保が追いついていないことに菅義偉官房長官は記者会見で苦言を呈したが、丸投げしておいてそれはおかしい。