読売新聞グループ本社社主の正力亨氏が8月15日、92歳で死去したが、同社の最高権力者、"ナベツネ"こと渡辺恒雄会長・主筆も御年85。長らく政界に影響力を持ち続けてきた"実力者"だけに、健康状態はなんとも気になるところだが、実は7月20日付の社内報で貴重な「独白」をしていた。

 この社内報、社員ですら、
「お仕えの幹部が主筆を褒め称え、もはや宗教団体の機関紙みたい」(同紙記者)
 と"感嘆"するほどなのだが、その紙面で、自身が7月に慈恵医大病院で受けたという「内臓検査」の結果を赤裸々に披露したのだ。

「社内報は、7月8日に都内のホテルで開かれた、販売店長らの総会の模様を紹介していますが、ナベツネさんはこの場で自身の"検査結果"を読み上げたのです」(読売関係者)

 その「主筆あいさつ」の中身をみてみよう。

 まず、ナベツネ氏は、グループ経営の盤石さを強調し、さらには、「読売新聞が部数を水増ししている」とした週刊新潮の「押し紙報道」に対する民事訴訟の一審で勝訴したことを誇らしげに報告。そして、
〈85歳という最高齢で、事実上の最高経営責任者である私の健康状態について報告しておきます〉
 と切り出すと、医師の"所見"を読み上げた。

〈息切れなどの症状もなく、極めて健脚です。(中略)CT検査の結果、まず脳に関し驚くべきことに脳の萎縮が全く進行しておらず、頭がさえていることが見てとれます。脳動脈瘤、甲状腺、嚢胞や腫瘍もありません。心臓も肥大や大動脈弁石灰化もなく、極めて若々しい状態にあり、60歳代くらいの若々しさと言えます。肺にはがん、腫瘍も認められません。極めて健康的な肺です。(中略)<腹腔動脈、上腸間膜動脈、及び左右の腎動脈に狭窄はありません〉

 さらに、もう一度──。

〈最も素晴らしいことは、85歳と高齢であるにも関わらず、脳に萎縮が全く見られないことです。人間にとって肝心な脳、心臓、腎臓、肝臓が全て60歳代と思えるほどの若々しさです〉

 そして、こう続けるのだった。

〈以上が目下の私の健康状態なので、新社屋の完成する年、つまり米寿までは持ちこたえるでしょう。この世には小生が早く往生することを願っている人も少なくないようですが、その人たちは失望されても仕方のないことです〉

 新社屋が完成するのは、2013年秋。いよいよ元気ハツラツである。

 ちなみに、ナベツネ氏は締めくくりとして、混迷する政局について、こんな"予言"をしている。

〈ポスト菅の首相が誰になるかを予想することは、巨人の勝敗の予測よりも困難であることを告白してごあいさつと致します〉

 やはり冴えている!? (本誌取材班)


週刊朝日