イラスト・あきんこ (週刊朝日2020年9月4日号より)
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イラスト・あきんこ (週刊朝日2020年9月4日号より)
イラスト・あきんこ (週刊朝日2020年9月4日号より)
ヨガのポイント (週刊朝日2020年9月4日号より)
ヨガのポイント (週刊朝日2020年9月4日号より)

「今日の体は昨日と違う。そういう変化を感じられるのが、ヨガの魅力です」

【画像】尿漏れの改善に効くヨガの続きはこちら

 そう笑顔で語るのは、スポーツドクターで産婦人科医の高尾美穂さん(イーク表参道副院長)。大学院生のときにヨガと出合い、今も毎日、ヨガを通して体と向き合う。

「続けていると、今日はちょっと腰の伸びが違うとか、足がむくんでいるとかがわかる。いつもより体調が悪いなと感じたら、無理をしないで過ごしています」

 ヨガは心と体の調和を図るだけでなく、女性が抱える多くの体調不良を解決に導いてくれる。なかでも、産後の女性や高齢女性に見られる“尿漏れ”や“頻尿”に対して高い効果があるという。

 くしゃみやせきなど、おなかに力を入れたときに起こる尿漏れや、一日に何度もトイレに行きたくなってしまう頻尿。その原因は、膀胱(ぼうこう)や子宮などを支える「骨盤底筋」という筋肉の筋力低下だ。出産でダメージを受けたり、加齢によって緩んだりする。

 そこに追い打ちをかけるのが、女性ホルモンのエストロゲンの減少だ。分泌量が減ることで全身の筋力低下が起こる。

 こうした尿漏れや頻尿に有効とされるのが、「骨盤底筋トレーニング」だ。緩んだ骨盤底筋を鍛えることで、尿道をしっかり締めることができ、尿トラブルの改善につながるとされている。

 ただ、残念なことに、トレーニングをがんばっても、尿トラブルが改善されないという女性もいる。そこにはさまざまな理由が考えられるが、最大の問題は、骨盤底筋がどこにあるかわからないという女性が圧倒的に多いことだ。

 骨盤底筋は体の奥にある筋肉で、触れることはできず、意識して動かすことも難しい。そのため、専門家の指導の下で正しいトレーニングをすればいいが、本やネットなどを見て自分のやり方で実践した場合、骨盤底筋に効かせる動きになっていないケースが少なくない。

「骨盤底筋は、腕や足の筋肉のように動かして鍛えることができないうえ、“遅筋”という種類の筋繊維の割合が多く、いくら鍛えても太くなったり、大きくなったりしません。鍛えていることを実感しにくい筋肉なのです」

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