高尾さんが実施したアンケートでも、回答した女性の9割が、トレーニングが骨盤底筋に効いているのか「はっきりわからなかった」と答えている。医師の高尾さんでさえ、これまでにいろいろな骨盤底筋のトレーニングプログラムを受講したが、最初はなかなか意識することができなかったという。
わかりにくく、鍛えにくい。そんな特殊な筋肉を動かす際に、ヨガのポーズが効力を発揮するという。骨盤底筋は、協働筋である太ももの筋肉や腹筋などと連動して鍛えることができるからだ。
「ヨガは体操などと違って、止まった状態でポーズを一つひとつキープしていきます。その際に大きな筋肉を意識するのですが、そうした筋肉を収縮させることで、骨盤底筋もついでに収縮させることができるのです」
高尾さんの著書、『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』では、14種類のオリジナルポーズを紹介しているが、今回、尿トラブルに悩む読者のため、オススメの四つを教えてもらった。
【1】「オンリーニー」はおなかの横の筋肉である腹横筋に、【2】「ドルフィンツリー」は内ももの筋肉の内転筋群に、【3】「スッキリZ」は腹横筋に、【4】「ワイドヒップリフト」は内転筋群とお尻の筋肉である臀筋(でんきん)群に効く。
筋肉への作用としては、体が温まっている夕方におこなうのがベストだが、朝でも、就寝前でもOK。時間があるときに取り組もう。大事なのは毎日、続けることだ。
「2カ月ぐらいで変化に気付くと思います。さらには、尿トラブルが改善するだけでなく、お尻が上がる、O脚が改善する、腰にくびれができるなど、うれしい見た目の変化も表れてきます」
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2020年9月4日号より抜粋