開幕当初は2年目のジンクスに苦しんでいた近本光司も急激に調子を上げてきており、リーグトップの盗塁数(15個)をマークしている。ヒットは少なくても効率よく得点するパターンはできつつある。また、先日引退を発表した藤川球児の最後を飾ろうとチームが結束することもプラス要素となりそうだ。

 今のところ巨人の優勝確率がダントツで高いことは間違いないが、今年のセ・リーグはクライマックスシリーズも行われないため、このまますんなり優勝が決まってしまっては面白くないと感じている野球ファンも多いはずだ。下位に沈んでいる中日、広島、ヤクルトも含めて、最後まで混戦となるような戦いを見せてくれることを期待したい。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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