逆に、聞かれてから答える場合は、瞬間的に状況整理をして伝える能力が追加で求められます。必然的に受け身の態勢になり、相手に伝わりにくくなります。突っ込まれて反論する。ディフェンシブな態勢になります。ホウレンソウは、受け身になる前の先手必勝が基本です。

 上司の立場を考えてみましょう。仕事を任せた以上、部下に対して細かな注文をつけないように気を使ってくれているかもしれません。自ら報告にくるのを、今か今かと待ちながら、催促しないように心がけているのかもしれません。

 部下の自主性と主体性を育てようと干渉を避けているのかもしれません。あるいは、上司によっては、単に感情的に報告を催促する人もいるでしょう。その場合は、上司の性質を考慮して気持ちが高ぶる前に報告に行く意識が大事です。

 もし、すぐにホウレンソウをする時間がないのであれば、早目に上司のもとに行き、後ほど報告させて欲しいと断りに行くべきです。

 外出してしまうようであれば、メモを置く、先に簡単な状況報告をメールで送る、などの対応をするべきです。大事なことは、上司に催促される前に自らが報告に行く、という先手の意識です。

■ホウレンソウは念押し型で行う

 その際のホウレンソウも「念押し型」で行うべきです。

 念押し型のホウレンソウとは、

「私は◯◯と考えていますが、よろしいでしょうか?」

 と、仕事の進め方について上司に念を押しながら相談することです。

 念押し型ホウレンソウは仕事を効率的に進める上で必須なばかりか、あなたに対する信頼を高めてくれます。念押し型が板に着く頃には、より大きな責任ある仕事を任せてもらえるでしょう。

 ホウレンソウとは「報告・連絡・相談」の3つの活動を組み合わせた略語です。つまり、「組み合わせ」の仕事であり、別々の業務ではありません。この3つは、単独で成立するものではないのです。常に3つの要素を含んでこそ、仕事が完結します。

 連絡することだけが目的ではありません。報告することだけが目的にもなりません。

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連絡と報告なしで、そもそも相談はできない