その結果によると、ウガンダは87%、米国も半数を超える61%がワクチンは確かに安全であると回答した一方で、日本では僅か17%のみがワクチンを確かに安全であると回答しました。ワクチンは確かに有効であると回答した割合も、小児にワクチンは確かに重要であると回答した割合も、日本は世界で最下位レベルでした。また、2015年11月と比較して、2019年12月時点で、ワクチンの安全性、重要性、または有効性に強く反対する回答者の割合が高い10カ国の一つに日本はノミネート。結果として、日本は世界でワクチンの信頼性が最も低い国の一つであることがわかったのです。ちなみに、この理由として、2013年にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの積極的な推奨を控えたことが災いしているのではないかと、筆者は考察していました。
このようにワクチンの信頼性が低いと、たとえ、新型コロナウイルス予防ワクチンが開発されたとしても、普及しないでしょう。新型コロナウイルス予防ワクチンは、1日も早い開発を目指して世界中で開発が急がれ、臨床試験が行われている真っ最中です。そうした報道を受けてか、外来では、「新型コロナウイルスのワクチンができたら、先生は接種しますか?」と聞かれることがたまにあります。実は、新型コロナウイルス予防ワクチンを接種するかどうかの決め手として、「医師が推奨しているかどうか」が、ワクチン接種の決定において重要視する要因の一つであるようなのです。
オハイオ州立大学のPaul氏らが、2020年5月に2,006人の米国の18歳以上の成人を対象にオンライン調査を実施したところ、参加者の69%のうち48%は新型コロナウイルス予防ワクチンを間違いなく接種したいと回答し、21%はどちらかというと接種したいと回答していることがわかりました。また、ワクチンの接種を希望していた参加者は、希望していなかった参加者に比べて、ワクチンの効果や医師の推奨の有無、自身の健康状態などが、ワクチン接種の決定に重要であると示す傾向が強かったことがわかったといいます。