

またしても芸能界を悲劇が襲った。女優の芦名星さんが9月14日、都内の自宅マンションで亡くなっているのを親族に発見された。現場の状況から自殺とみられるが、遺書はなかったようだ。36歳という若さだった。
人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日系)や日曜劇場「テセウスの船」(TBS系)といった話題作に出演を重ねるなど、仕事は順風満帆に見えていただけに、周囲は驚きを隠せない。芸能評論家の三杉武氏はこう言う。
「俳優で30代中盤といえば、仕事に落ち着きが出てくるころ。そんな中で昨年、BS放送とはいえゴールデン帯の連続ドラマに初主演し、最近ではグラビアにも精力的に取り組むなど、活躍の場を広げていました。まさに充実一途だっただけに今回の報道には驚きました」
仕事における周囲の評判は「完璧」との声が多かったという。
「監督に役作りを称賛されるなど、ストイックに完璧を目指すタイプ。同業者からネガティブな声はまったく聞こえてきませんでした」(三杉氏)
芸能リポーターの石川敏男氏はこう評する。
「周囲が感心するエキセントリックさがありましたね。役作りのためなら体重をごっそり落とすとか、そういうことができる女優さんでした」
一方で、プライベートでは異なる一面もあったと石川氏は続ける。
「『30歳までには結婚する』と周囲に話していて、結婚願望は強かったんです。30歳までは恋人に引きずられるような面もあったようですね」
30歳を過ぎてからは、失恋してもすぐ吹っ切れて仕事に集中するようになったという。昨年5月には俳優の小泉孝太郎さんとの交際が女性誌に報じられたが、長くは続かなかったようだ。
「去年の秋口には関係は壊れていたと聞いています。そのことを引きずっている様子もなく、仕事現場では周囲を引っ張ろうと姉御気質を発揮していたようです」(石川氏)
前出の三杉氏は、芦名さんと、7月に亡くなった俳優の三浦春馬さんに共通項を見いだすことができると語る。
「プロ意識が高く、業界での評判も非常に良い。外から見ると、非の打ち所がないというのは共通するところです」
才能もさることながら、まずは若すぎる死が悔やまれる。(本誌・秦正理)
※週刊朝日 2020年10月2日号