政権が発足し、安倍政権に続きナンバー2に座ったのが、麻生太郎副総理兼財務相だ。
「安倍さんに続き、菅さんも麻生さんがにらみをきかすほうが、閣内をコントロールしやすいと思ったのでしょう」(自民党ベテラン議員)
安倍内閣時代は、毎年政治資金パーティーと寄付で2億円を超す政治献金を集め、安倍氏を抜き、トップクラスだ。
その政治資金収支報告書を見ると、不思議な献金があった。麻生氏は政党支部「自民党福岡県第8選挙区支部」と、資金管理団体「素淮会(そわいかい)」などが政治献金の受け皿だ。
自民党福岡県第8選挙区支部の2012~13年度の報告書をみると、広島県のA社と関連会社が計60万円を献金。どちらも社長は元広島県議会議長の親族B氏だ。
「B氏は地元では知らない人がいない実業家で甥が政治家で政界に顔が広い」(広島県議)
だが、12年にはA社が出資しB氏が代表を務めるC製鋼(福岡県)が約205億円の負債をかかえて、破産手続きとなった。その後、A社も倒産、B氏も破産した。
しかし、不可解なことにB氏は13年以降もA社を通して、麻生氏に献金を続け、12年から18年までで計210万円となっている。
そして麻生氏の資金管理団体「素淮会」の地方組織である「中国素淮会」代表も務めるB氏。
15年の素淮会の報告書には、B氏の中国素淮会から1千万円、16年と18年にそれぞれ1千万円、17年は2千万円、4年間で5千万円もの献金がされていた。
中国素淮会の政治資金収支報告書をみると、毎年1回、麻生氏のセミナーとパーティーを開催。
18年は9月にセミナーとパーティーが開催され、広島市内のホテルに643人が参加、2237万円の収入があったと記されていた。
「B氏は若いころから麻生氏と親しく、会社が破産した時も麻生氏にせっせと献金していた」(前出・広島県議)
だが、B氏の会社が破産手続きを行っている最中、麻生氏への多額の献金を行うのは奇妙だ。