埼玉西武の本拠地メットライフドーム (c)朝日新聞社
埼玉西武の本拠地メットライフドーム (c)朝日新聞社

 埼玉西武ライオンズの本拠地メットライフドーム。今年は新型コロナウイルスの影響で入場の人数制限はあるが、毎試合熱いファンが詰めかけて声援を送る。球場自体もリニューアルを重ねた結果、素晴らしい環境に変貌しつつある。

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 しかし根本的な問題はまだ解決されていない。アクセスの悪さと夏場のドーム内のうだるような暑さだ。

 西武球団誕生、本拠地移転に合わせ、西武ライオンズ球場(現メットライフドーム=以下ドーム)が79年に開場した。

 鉄道事業との兼ね合いもあり、現在の場所に決まったが交通事情には悩まされている。40年以上経っても道路整備が不十分で、車では常に交通渋滞に苦しめられる。

「試合終了後の渋滞は目も当てられない。クラブハウスで時間を潰してから家路につく選手ばかり」

 球団関係者は選手らの移動手段について説明する。

「うちの選手は所沢駅周辺と隣接する東京都に住む選手に別れる。どちらに住んでも帰宅時の混雑は同じくらい。西武在籍時の石井一久(現楽天GM)などは、開き直って都心から運転手付き車両で通っていたほど。こればかりは球団ではどうしようもない」

「悪いことばかりではない。森友哉、山川穂高など主力の多くが早くから練習するのが日課になっている」と球団関係者は続ける。

「遅れないように早く球場へ向かう。時間が余るので、それをアーリーワークに費やす。また新しい寮が近くにできた。次の日がデーゲームなどの場合、宿泊する選手もいる。調整もやりやすいのではないか」

 車で訪れるファンにとってはストレスが溜まるだろうが、選手にはプラスになっていることも多い。

 電車の場合、主にファンにとって問題が多い。最寄りの西武球場前駅までは、途中駅から単線路線となる。運行本数を増やすにも限度があり、往復とも電車内は混雑する。

「尋常ではないほど電車が混む。普段生活している我々からすると信じられない。試合後など、電車が空くのを待つ人もいるのだろうが、駅周辺に飲食店などほとんどない。電車内、ホーム、そして改札外まで人が溢れている。最近は色々なお店もできているが、効果があるのか注目している」(西武球場前駅周辺住民)

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“暑さ”にはどう対応するのか