電車を降りて、そういえばSuicaの残額が少なかったことに気づく。改札で止められる前に自動精算機でチャージしてしまおう。と、カードを差し込むと残額「986円」。「なんだ、まだあるじゃないか」。ちょっとガッカリする。そのまま引き抜くのもシャクに障るので2千円だけチャージする。領収書ボタンを押すのを忘れたが、駅員さんにわざわざ頼むのも面倒くさいので、仕方ない諦めるか。

 池袋演芸場前の11時50分。今日は早い上がり時間に変更になった。開場を待つお客さんの列を横目に向かいのファミマへ。ギャツビーのフェイシャルペーパーを買わねば。コンビニ限定の20枚入りを購入。店内で封を切り、ゴミはレジ横のゴミ箱へ。客引き中の演芸場の従業員に「いらっしゃいませ!」とお客に間違われ、開場を待ち列をなすお客さんに声をかけられることもなく、エレベーターに乗り地下2階へ。

「おはようございます」と楽屋の扉を開くと、すでに着替えて落語家になった『一般人』と、『一般人』に戻った落語家がバカっ話の真っ最中。「それじゃ、おさきぃ~」と帰っていった『一般人』と入れ替わり、ぼちぼち私も落語家になる。

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。YouTube 「春風亭一之輔チャンネル」ぜひご覧ください! アーカイブもいろいろあります

週刊朝日  2020年10月30日号

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