今オフFAのヤクルト山田哲人獲得が濃厚との見方も多かったが、早々と残留が決定。しかし、長年の課題だった二塁手固定の問題は、吉川尚輝の成長でメドがついたことで、山田が補強できなかったことはそこまで痛くはない。主砲・岡本和真の三塁守備もレベルが高く、坂本勇人の遊撃手と合わせて鉄壁の内野陣が組めそう。残った内野のポジションである一塁は、相性やコンディションを考え外国人やベテランで回せば良い。
「ポジション的にも一塁は空いており、今年要所で活躍した中島宏之もいて心強い。吉川が格段に成長したことで、二塁手で山田を獲得しなくても良くなったため試算した莫大な予算が浮く。ボーアが高額年俸と言われるが、数年チャンスを与えるのには問題ない金額。巨人編成部はボーアの適応力を高く評価している。大爆発する可能性に期待するのも間違っていない」(巨人担当記者)
結果は振るわなかったが、1年間プレーしたセ・リーグ球団が移籍先として濃厚と見られるが、大穴とも言えるのがソフトバンクだ。パ・リーグはDH制が使用できるとともに、現在一塁を任されているのは、本来は外野手登録の中村晃。また左の強打者が柳田悠岐1人という状況で、バランスを考えれば必要な選手だ。
「今年、ヤクルトから加入したウラディミール・バレンティンが期待外れ。本人のやる気も見えず、来年以降も多くは望めない。2年契約総額10億円をドブに捨てる覚悟が球団にあれば、バックアップと考えボーア獲得も考えられる。性格的に問題児のバレンティンよりも、謙虚で模範的なボーアの方がチームへの好影響も期待できる」(在京テレビ局スポーツ担当記者)
「あれだけのナイスガイはいない。二軍コーチの助言にも耳を傾けるし、若手にアドバイスもしている。残念ながらクビになったけど、どこへ行っても頑張って欲しい」(阪神関係者)
どの世界でも結果を残すのは難しい。しかし、それでも結局は人間性が大きいということを教えてくれている。ボーアも1年目は結果が残せなかったが、今後はどう転ぶかわからない。しかし周囲からこれだけ称賛が聞こえて来るのは、可能性が大きいからだろう。そして『良い人』だから。
来シーズン、ボーアが日本の球団に移籍した場合、どこのユニフォームを着ているのだろうか……。結果次第では阪神球団が選択した編成方針の『是非』も明確になる。今オフ、目が離せない選手の1人だ。