国民の健康が危機に直面しているというのに、いま永田町では“解散説”が飛び交い始めている。年明けの2021年1月、菅首相が衆院解散に踏み切るとの見方があり、自民党内で具体的な日程が記された文書が配られているのだ。

 8日に国会召集、14日から第3次補正予算案の審議入り。15日衆院、19日参院での採決を経て、衆議院を解散する。26日に総選挙の公示、2月7日に投開票との目算だ。

“1月解散”については、自民の下村博文政調会長が言及している。11月16日に東京都内で講演し、「1月冒頭がなければ、オリンピック・パラリンピックが終わる9月以降」との見方を示した。また、安倍前首相が「自分だったら1月に解散する」と語っていたことを披瀝(ひれき)し、菅首相にプレッシャーをかけた。

 自民党幹部がこう語る。

「下村さんの発言は、安倍さんや麻生さんの意向に沿ったものだ。とりわけ、麻生さんは早期解散を主張している。一方、菅さんと近い二階さんも7月の東京五輪前の解散もありうると発言している」

 自民としては、いま菅政権の支持率が高いうちに選挙を打ちたいとの思惑も働く。

 そうしたなか、本誌は、衆院解散などについて、緊急国会議員アンケートを実施した。対象は全衆議院議員で、うち146人から回答を得た。質問項目は、衆院解散のほか、東京五輪開催、消費税減税、日米地位協定の改定、選択的夫婦別姓など、本欄の表に書いた全8問。いずれも2択で、最後に自由記述の欄を設けた。

 最初に、この冬必要があれば衆院解散をしてもいいと思うかどうかを聞いた。自民は「してもいい」が19%(13人)で、「するべきではない」の25%(17人)を下回った。やはり、党内でも慎重論が少なくないようだ。石破茂氏(自民)はこう話す。

「基本的に衆院議員は任期を全(まっと)うすべきです。みなさん解散と軽く言いますが、衆院議員が一人もいなくなる状態になるのです。小泉政権での郵政選挙のように、衆議院と政府の意思が違った時に国民に聞いてみましょうというのが解散の趣旨です。コロナ禍と言われている間は、解散の必要はなかなか認められにくいと思いますよ」

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