デパートの特設売り場では、異なる色やデザインなど男女それぞれ向けに10種類以上が置かれている(撮影協力/松坂屋上野店、撮影/篠塚ようこ)
デパートの特設売り場では、異なる色やデザインなど男女それぞれ向けに10種類以上が置かれている(撮影協力/松坂屋上野店、撮影/篠塚ようこ)
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 元NHKアナウンサーで、現在フリーとして活躍中の住吉美紀さんは、実はふんどしのヘビーユーザーである。就寝時にはカラフルな「シャレフン」を締め、自らの番組ではふんどしの効用を説いているのだ。その功績がたたえられ、このたび日本ふんどし協会が制定する栄えある「BEST FUNDOSHIST AWARD」大賞を受賞するに至った。

「私がやっているヨガでは、血流を止めるものはよくないとされています。その意味で、体を締めつけないふんどしはいいのではないか、と興味を持ったのです。実際に使ってみると、実に開放感があって毎日すっきり眠れ、身体が軽くなって、こんなにも気持ちが前向きになれるのかと感動しました。下着を変えても外からは見えませんが、人生が変わるかもしれませんよ」(住吉さん)

 住吉さん以外にもふんどしの愛用者は多く、作家のいとうせいこう氏や脚本家の小山薫堂氏などが知られている。外出時に着用することには若干の抵抗があるため、夜、寝るときに使用する一般ユーザーも増加しているという。

 日本古来の文化ともいえるふんどしだが、どうしても古臭いイメージが拭えず若い世代、特に女性にはハードルが高いかもしれない。しかし、最近はカラフルなデザインと機能性を備えた女子目線の製品が次々と登場。リネンや麻など天然素材のものなど、静かなブームになりつつあるのだ。特設売り場がある大丸京都店では、「ご夫婦や恋人同士などカップルでお買い求めになる方が多いようです。今では週に10着前後が売れ、以前の数倍の売れ行きです」と話す。

 中学生時代からふんどしで生活しているという、五輪橋産科婦人科小児科病院の丸山淳士名誉理事長が効用を解説する。

「開放型のふんどしは、基本的に副交感神経の働きを高めます。それによって、血管が拡張し血流が増大しますので、冷え症やむくみ、腰痛、肩こり、婦人科系の病気に効果があります。さらに熟睡を導いて心身をリラックスさせ、若さを保つアセチルコリンの分泌を促進するのです」

AERA 2013年2月25日号