10月10、11日に開催されたオンラインコンサートでは、191カ国・地域で約99万3千人が視聴したことも話題になった。

「コロナ禍、BTSもツアーを中止しました。ただ、BTSは、もともと世界中の音楽ファンをターゲットにし、ネットでの地盤を固めていたので、コロナ禍でも勢いが衰えなかった」(ビルボードジャパンの高嶋直子さん)

 BTSはSNSの発信の仕方にも特徴がある。一般的に、グループの場合は、メンバー一人ずつがSNSのアカウントを持ち、全体のものをスタッフが運営する。だが、BTSは個人のアカウントを設けていない。

「メンバーの中に特に気になる人がいても、BTSの場合はメンバーが参加しているアカウントは一つしかありません。ですので、結果的に自分の推し以外のメンバーにもSNSを通じて触れることができ、よりメンバー全体を好きになるという巻き込み方を展開しています」(同)

 そんなBTSを支えるのが「A.R.M.Y.」(アーミー)の存在だ。A.R.M.Y.とは、BTSファンの愛称。A.R.M.Y.は、メンバーの誕生日になると、お金を出し合って広告を打つ。韓国の金浦空港にポスターを貼り出したり、ニューヨーク・タイムズスクエアの巨大電光掲示板に映像を流したり、世界規模でメンバーの生誕を祝うことでも知られている。

 アンケートの回答にある「紫(ムラサキ)する」とは、「大好きよりもっと気持ちを表現できる言葉」としてVが編み出した。そこで本誌表紙も「紫」してみました。(本誌・岩下明日香)

>>【後編/BTSの日本語楽曲に欠かせない“KM-MARKIT” 独占インタビュー】へ続く

週刊朝日  2020年12月4日号より抜粋