玉森:そうですよ。けっこうカッコつけて生きてきたので。
阿部・上戸:じゃあこの現場では、それが剥がれちゃったんだね(笑)。
──息もぴったりな3人の掛け合いで、和やかに取材が進む。映画にも同様の空気が流れ、人の欲やお金にまつわるシビアなストーリーながら、どこかほっこりした雰囲気も漂う。
阿部:本木(克英)監督自身が、ほっこりした方なんです。僕らもゆったりした雰囲気のなかで撮ってもらえた。
上戸:愛理も田端も、西木という上司に恵まれていますよね。これが柳葉敏郎さん演じる支店長や、杉本哲太さん演じるパワハラな副支店長の下についてしまうと、また違ってくると思う。
阿部:役としては自分とは真逆な支店長も、演じてみたい気もするんですけどね。出世とか欲とか自分にはないから。
上戸:欲、ないんですか。
阿部:ないなあ。主役をやりたい!とかも特にないし。ただ悔しい!と思うときはある。自分が出ていたCMが、次の人に代わったとき。
上戸・玉森:あはは。そういうとき、どうするんですか。
阿部:LINEする。その本人に。(一同爆笑)
■お金に関しては無頓着
──一見平和に見える銀行は、現金紛失事件の余波で雰囲気を変えていく。支店長以下、西木や愛理もお金に絡む問題を抱えていることが明らかになるのだ。
阿部:僕自身はけっこう、お金に関しては無頓着なんです。親から「お金のことを言うのはあまりよろしくない」と言われて育ったし、結婚してからは全部奥さんまかせで、子どもの教育費がいくらかかっているとかもよくわかってない。あえてお金について、気にしないようにしているのかもしれない。
上戸:私も全く一緒です。私も母に「人とお金の話はしちゃ駄目だ」と言われて育ったし、お金の面では全部、母親に任せっきり。お金に執着しすぎちゃうと、たぶん私は顔に出ちゃうと思うんです。
阿部:わかる! 「この仕事はいくらだ」とか。
上戸:そう! もし「この仕事であなたの取り分は何%だよ」なんて先に言われたら、「おはようございます」のテンションから違っちゃうかもしれない(笑)。
■子どもにはシビア
阿部:なかには詳しい人もいるじゃないですか。どこの事務所は何%だ、とか。そういうのを聞くと、少し冷めちゃう。
上戸:そういうことと演技を直結させたくないですよね。
玉森:僕もお金はあればいいけど、なければないでどうにかなるって思っちゃうタイプです。同世代や地元の友だちのなかにはお金に対する意識が高い人もいるけれど、僕はついていけなかった。そういう人をすごいなと思うんですけど。