――新庄さんだからこその特権というやつですね(笑)。そんな新庄さんだったからパ・リーグが盛り上がったという見方もできますか?

 それはあると思いますね。

 現役時代の新庄さんのプレーで、僕が最も衝撃的だったのは2004年のオールスターゲームで見せたホームスチール。確かオールスター史上初だったはずです。オールスターなので、絶対何かやるだろうなとは思っていましたが、まさかホームスチールをするとは。

 僕はベンチで見ていましたが、けっこうきわどかったんですよねタイミングが。結果的にギリギリでセーフになりましたが、もう正直そんなのもどっちでも良かった。ベンチも球場も大盛りあがり(笑)

 ほんとすごい選手だなって思いましたね。

 日ハムがあれほどの人気球団になったのは間違いなく新庄さんの力が大きい。もちろん日ハムだけじゃなく、あの当時のパ・リーグを盛り上げた立役者は新庄さんといっても過言ではないでしょう。

――改めて聞くと新庄さんはスーパースターですね(笑)。この先の新庄さんにどんなことを期待していますか?

 新庄さんは、プロ野球界だけじゃなく、日本の野球界に必要な人材です。

 新庄さんがきっかけで、野球に興味をもった人は、たくさんいます。それだけ影響力を持っている人って、元プロ野球選手の中でも意外と少ないですから。仮にトライアウトに合格しなかったとしても、何かしら日本の野球界に関わり続けてほしいですね。

 僕達をワクワクさせてくれるような活躍を、これからも期待しています。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

渡辺俊介(わたなべ・しゅんすけ)/1976年8月27日生まれ。2000年ドラフト4位で千葉ロッテマリーンズに入団。“サブマリン”と称されたアンダースローが特徴で、05年に15勝を挙げ日本一に貢献。06、09年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では日本代表の連覇を経験。現在は社会人野球チーム「日本製鉄かずさマジック」で監督を務める

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