48歳でトライアウトに挑戦した元メジャーリーガーの新庄剛志氏に、日本の独立リーグ球団が獲得オファーを出していると報じられた。ただ、日本プロ野球機構(NPB)の球団関係者は、「独立リーグ球団が新庄氏を扱うことは無理」、と冷ややかな視線を送る。

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 新庄氏は7日に行われた12球団合同トライアウトでタイムリーを放ち、試合前のノックでも強肩ぶりを見せつけるなど、軽快な動きでアピールした。だが、自身が決めた「6日間」の期限内にNPB球団からの連絡は来なかったことから、野球とは違う道に進むのではとの見方が強まっている。

 そんな中、BCリーグの新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが獲得オファーを出したと報じられた。だが、パ・リーグの球団関係者はこの状況を冷ややかな目でみる。

「営業、集客面、若手の育成という観点で期待するのは分かります。でも独立リーグの球団では到底無理でしょう。新庄氏の獲得には相当な覚悟が必要ですからね」

 覚悟とは、どういうことか。

 新庄氏は2004年シーズンから日本ハムに加入すると、長く人気低迷が続き、その年から本拠地を札幌に移転し生まれ変わろうと必死だったチームの「起爆剤」となった。

 試合前に、かぶりものをしてノックを受けたり、守備位置へバイクで入場したり、前代未聞の演出は「新庄劇場」と評され話題をさらった。時には自費で数百万円を投じたパフォーマンスも決行した。

 前出のパ・リーグ球団関係者は新庄氏の功績をたたえつつ、当時の状況をこう振り返る。

「日本ハムは新庄氏の行動、言動を本人に任せきる『放任主義』を貫きました。あれは裏を返せば新庄氏のやろうとすること、考えを実現するために球団やスタッフが資金面、人的側面で手厚いサポートをしていたということです。トラブルも想定したうえで、他球団から新庄氏のパフォーマンスにクレームが入った時には即座に対応に回っていました」

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日ハムでは「専属広報」がついていた