そこで、スターパートナーズの協力を得て、要介護2から有料老人ホーム(首都圏、中堅レベルの施設を想定)に入居したケース(A)と、5年間の自宅介護を経て特養に入居したケース(B)の2パターンを試算したところ、やはり大きな金額差が生じました。
9年後に死亡と想定すると、9年間にかかる費用は、(A)が約3300万円、(B)が約1500万円と、総額の金額差は1800万円。1年あたりに換算しても200万円以上と軽視できない差となっています。
これだけコスト差があるとやはり特養に入居できるのを待ちたいところですが、特養は待機者が多いため、要介護3になってようやく申し込みできても、現実にはなかなか入居できないという場合が多くあります。
「地方であれば比較的スムーズに入居が決まることもありますが、都市部では緊急度が相当高いと判断されないと難しく、待機していてもあまりメリットがないことも」(齋藤さん)
何より、介護する家族の生活の質が長期間にわたって著しく低下する事態も避けたいものです。
同じ介護付き有料老人ホームでも地方の施設は手ごろな費用で収まるところも多いので、次のケースも参考にしてください。
■ケース2:地方と都市部、どっちがいい?
次は、安価な地方のホームか、通いやすい都市部のホームかで迷っているケースです
<地方都市で一人暮らしをする82歳の父が、脳梗塞の後遺障害で要介護2の認定を受ける。首都圏で妻子と暮らす50代息子は介護付き有料老人ホームに入居させたいと考えるが、面会しやすい首都圏のホームか、実家に近い地方のホームか迷っている。
その後、85歳で転倒で寝たきりとなり、その1年後に死亡すると想定>
一人暮らしの親を施設に入居させるとなると、実家に住む人はいなくなります。そうなると必ずしも実家に近いホームでなくても、家族が面会しやすい都市部のホームに入居させる手もあります。