婚約内定の会見時の眞子さまと小室さん(c)朝日新聞社
婚約内定の会見時の眞子さまと小室さん(c)朝日新聞社

 眞子さま結婚問題は、国民の間に波紋を広げている。眞子さまは結婚の意志を明らかにしたものの、秋篠宮さまは「結婚と婚約は違う」とご発言。宮内庁長官もお相手の小室圭さん側に説明を求めるなどし、国民からは「本当に大丈夫なのか」と心配や不安の声が上がる。さらには「もう敬えない」といった極端な声も。皇室と国民の関係はどうなってしまうのか。

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「説明すべき方がきちんと説明していくことがきわめて重要」

 宮内庁の西村泰彦長官は、24日の記者会見でこのような見解を示したという。秋篠宮家の長女、眞子さまと婚約が内定している小室圭さん親子の金銭トラブルについての言及だった。
 
 背景にあると思われるのは、過熱する報道とそれに対する国民の反応。世間の関心の高さは国民の皇室への親しみの証ともいえる。ただ、気がかりなのは、最近はその反応が厳しくなってきたこと。SNSやネットニュースへのコメント書き込みのみならず、宮内庁に抗議の電話が殺到しているという報道もあった。

 セレブウォッチャーで、コラム二ストの辛酸なめこさんは、11月の眞子さまのお気持ち発表時からこのような状態を危惧していた1人。直後、「いずれ、皇室を敬えないという声が出てきてしまうのでは」と話していた。最近の報道とそれに対する国民の反応をどのようにみていたのか。

「報道が事実であれば、光と闇の対比といいますか……。まったく異なる存在だからこそ、お2人はひきつけられているのかもしれません。しかし、ネットに限らず世の中の反応をみていると、日本人の心のよりどころが揺らぎかねない事態だと感じています。国民は眞子さまを含め、皇室には品格を保ってほしいという気持ちが強いのです」(辛酸さん)

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学准教授(歴史学)の河西秀哉氏も、今回の件では、国民の皇室への関心の高まっているが、いい方向ではないと指摘する。

「平成の時代は、上皇さま美智子さまの清廉で道徳性の高い言動によって、象徴天皇制が非常にうまく機能していた。今回の問題に関しては、そこからの落差も感じて、国民の反発が強くなっているのだと思われます。しかし、このままでは振り上げた拳を静かに収めることができなくなってしまう恐れもあります」(河西氏)

 つまり、今回の問題を批判する声が先鋭化すると、皇室の存在意義を問われかねない事態に発展する可能性もあるのだ。

 例えば、日本と背景はかなり異なるものの、アジアの他の国に目を向けると、タイでは最近、若者による「王室改革」を求める抗議活動が目立ってきている。国王を敬うように教育され、発言によっては不敬罪に問われる国にもかかわらず、だ。

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多くの国民にとって寝耳に水