眞子さま結婚問題に話をもどすと、なぜ、ここまでこじれてしまったのか。ふりかえれば、眞子さまと小室さんの婚約内定の会見が開かれたのは2017年9月のこと。

眞子さまは会見で、皇室を離れることに関して、慎重に言葉を選びながら次のように話された。

「幼い頃より結婚をする時は、皇族の立場を離れる時である、という意識を持って過ごしてきました。その中で、天皇陛下をお助けし、自分なりにできる限り、皇族としての仕事を大切に果たそうと努めるとともに私自身の生活も大事にしてまいりました」

 一方の小室さんの発言には、いまどきの若者らしさもうかがえた。

「好きな言葉は『Let it be』でしょうか。(中略) 今後のことで思い描いていることはございますが、今は目の前の仕事と勉学にしっかりと取り組むことが重要であると考えております。将来のことにつきましては、宮さまとご相談しながら考えてまいりたいと思います」

 とはいえ、お互いを「月」と「太陽」と表現し、理想は「温かく居心地がよく笑顔あふれる家庭」(眞子さま)、「いつも自然体で和やかな家庭」(小室さん)と話す様子は仲睦まじく、会見は和やかに進んだ。世の中は祝福ムードに包まれた。

 潮目が変わったのは、週刊誌などで金銭トラブルが報じられてから。宮内庁は2018年2月、一般の結納にあたる「納采の儀」など結婚に関する一連の行事を延期すると発表。ただ、このときは週刊誌報道の影響は否定していた。

 ところがその半年後の8月、小室さんは単身米国へ。3年間の留学だった。多くの国民にとって寝耳に水だったのではないだろうか。
 
 同年11月、秋篠宮さまは「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、納采の儀を行うことはできません」と述べられた。いわば、小室さん側にボールが投げられたわけだが、2019年1月、小室さん側は文書で「(金銭トラブルは)解決済み」と説明するだけだった。

 以降、事態は進展しているのか、していないのか、国民の目にはよく見えないまま、月日は流れた。

 そして先月、眞子さまはお気持ちを発表。ネットで速報が流れると、SNSで「なぜ」「どうして」「がっかりした」とそれまで抑えていった感情が爆発したかのようにコメントがあふれた。否定的に受け止めた国民が決して見逃さなかったのは次の一文だった。

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個人を前面に出してほしくない