「年末年始の暴飲暴食で疲れきった脾胃を元気にするには、早食いはNG。ゆっくりとかんで食べ、腹八分目を目指しましょう」(伊東さん)
こうした食養生に併せたいのがツボ。伊東さんが紹介する胃腸の機能を高めるツボは、衝門(しょうもん)、帯脈(たいみゃく)、天枢(てんすう)の三つ。
「衝門は胃の働きを補うツボで、帯脈は腸の蠕動(ぜんどう)運動をよくして、お通じをスムーズにします。天枢は胃と腸、両方の機能を高めます」(同)
最後は、栄養面から。東京慈恵会医科大学附属病院(東京都港区)で栄養管理をする管理栄養士の濱裕宣さんが解説する。
「食べないダイエットは筋肉が落ちて、お尻が垂れる。かっこよく痩せるには、しっかり食べること。1カ月で1キログラムを目指すぐらいのペースがちょうど良いです」
提案する方法は、「脂肪になりやすい食べ方→なりにくい食べ方」へのシフトチェンジ。脂肪蓄積の原因となる食後血糖値を上げない食べ方を目指す。味方になる食材は、水溶性食物繊維と油、そして酢だ。
食事で取った炭水化物や砂糖は、ブドウ糖に分解されて血液中に入り、細胞内に取り込まれる。だが、血液中のブドウ糖の濃度が急激に高くなる(食後高血糖という状態)と、細胞が糖を取り込み切れなくなり、余った糖が中性脂肪として肝臓や筋肉などに蓄えられる。
つまり、食後血糖値を一気に上げないことが、脂肪を蓄えない手っ取り早い方法で、そのために取り入れたいのが、先に挙げた三つの食材なのだ。
「水溶性食物繊維はネバネバした野菜や海藻、大麦などに多く含まれています。胃の中で消化されず、ほかの食べものと混ざってゆっくりと腸に流れていきます。糖の吸収の速度が遅くなるので、急激な血糖値の上昇を抑えられます」(濱さん)
油は胃の粘膜に膜を作ってコーティングしてくれるため、糖の吸収がゆっくりになり、血糖値の上がり方が緩やかになる。揚げ物や油をたっぷり使った炒め物は問題だが、サラダにオリーブオイルをかけるなど、適度に使うことで、ダイエットを後押ししてくれる。
酢の主成分である酢酸も血糖値の急激な上昇を抑える働きがあるとされている。酢のものを積極的に取り入れるほか、飲む酢でもOK。飲む場合は、空腹時だと胃への刺激が強すぎるため、食事中や食後にしておこう。
おなかがすいたときは我慢せず間食を、というのも濱さん流。腹ペコになるとつい食べすぎてしまう。間食をとっておくことで、腹ペコ状態を緩和させるのだ。
おすすめはくだものや、アーモンドやクルミなどのナッツ系。今の季節ならリンゴやミカンが手に入りやすい。リンゴは皮のまま、ミカンも房ごと食べることで、食物繊維をしっかり取ることができる。ナッツ類は塩味のついていないものを選ぶ。
ダイエットの敵は「罪悪感」と「飽き」だという。いろいろなダイエット法を組み合わせて、楽しく正月太りの解消に取り組んではいかがだろう。(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2021年1月15日号