「日本野球には独特の攻め方がある。例えば、早いカウントから変化球を多投、ボール球で勝負するなど米国では考えられない。米国では打って結果を残さないとサバイバルに生き残れないので、早打ちの選手が多い。日本式配球に慣れるのがまずは最初のタスクだから、1年目の後半戦、もしくは2年目以降での結果を求めることもある」(元セ・リーグ球団渉外担当)

 焦らず長い目で見た結果、日本の野球に適応して花開いた例も過去にはある。近年では元広島のブラッド・エルドレッドが、実質3年目の14年に37本を放ち本塁打王を獲得した。エルドレッドは非常に真面目な性格で、日本の生活に溶け込もうとする姿勢もありファンからも愛された。NPB2年目となった13年シーズンのオフには退団が濃厚と見られていたが、当時の野村謙二郎監督の要望もあり残留。結果的に成功を収めることが出来た。

 同様に模範的存在だったボーアにも猶予が与えられてもおかしくはなかった。ファンからも人気を博していたが、結果的には1年限りでチームを去った。

 後釜の大砲候補として獲得したのは、韓国球界で圧倒的な成績を残したロハス・ジュニア。年俸はボーアの今シーズンと同じ250万ドル(約2億6000万円)の2年契約だ。

「打つね。誰よりも先に言っときます。彼は打つ。スイッチヒッターで姿勢が突っ込まないし、右でも左でもホームランが打てる」(プロ野球解説者・金村義明/12月19日、カンテレ『こやぶるSPORTS』)

「3番のイメージをしている。返すこともそうだし、よりチャンスを広げることもそう。対応力が高い選手。そういうところでは、エース級の投手にも対応してくれるんじゃないかなと期待を持っている」(矢野燿大監督/12月26日付サンスポ)

 金村氏、矢野監督も高く評価するロハス・ジュニアは昨シーズン、韓国リーグで47本塁打、135打点をマークし、2冠王とMVPを獲得したスイッチヒッター。巨人、メジャー球団が獲得に手を挙げるなど、オフには争奪戦が繰り広げられた。

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ロハス・ジュニアは信用できる?