佐藤ママ:同じ文章がそのまま本番で出るとまではいかないにしろ、試験では質問にするところは大体決まっています。特に、古文、漢文などは出典が違っていても、問題になるところは似たようなところです。それに対応するためには、やはり問題形式で覚えた方が役に立ちます。参考書は、内容を全部書いていますのでポイントが分かりにくいのです。
直前期には、ノートや参考書を読んで自らラインマーカーを引いたポイントを確認するという勉強方法をやりがちなのですが、私はお勧めしません。言葉や数字が頭の中を滑っていくだけなのです。“やっている”雰囲気は出せるかもしれませんが、実際には役にたちません。なかなか問題集を手に取ろうとしないのが受験生の特性のひとつなのですが、やはりわからない問題に出会うのが怖いということも原因かと思います。特に直前期には不安になったりしますが、考え方を変えてみると 本番の前にわからない問題に出会えたことはラッキーなのですよ。
人間は忘れる動物なので、自分が忘れていたことに慌てる必要はありません。わからなかったら答えを見て、その場で覚える。問題集を取り組むときは、答えを横に置いて、すぐ答えを見ればいいのです。それを何回も繰り返して知識を定着させましょう。記憶の「上書き保存」を繰り返せばいいのです。
忘れるということを前提に、この時期は毎日すべての科目を一通り回すことです。1日にやることが偏らないようにすることが大事で、知識を総ざらいするつもりで見直しましょう。
――試験当日に気を付けることは何でしょうか。
佐藤ママ:今回の共通テストは、特に英語の配点と構成が大きくかわるので要注意です。リスニングは、問題文を2回読んでくれる問題と、1回しか読まない問題がありますから気をつけてください。すべての問題を一回聞いて答えるようにしないと、2回と1回の切り替えは難しいですね。結構、集中力が必要となります。
初めての共通テストで不安な気持ちがあるかもしれませんが、受験生全員が初見の問題ですから、条件はみな同じなのです。大事なのは時間の配分をどうするか。問題を解く前に、まず2分くらいですべてのページをめくって、最後まで問題に目を通してください。「ああ、こういう問題なんだな」とわかった方が精神的にラクになります。最後までどんな問題があるかわからず初めから順番に解いていると、ゴールが見えない霧の中を歩いているような気分になります。今回の共通テストは、どの科目も読ませる量が多いことが予想されますので、まず、ゴールの確認は大切です。
はじめに、最後の問題までざっと目を通したら、そこから落ち着いて、1番から順番に解いていきます。解答方式がマークシートの場合は、解く順番を変えないこと。解答欄を間違えるというマークミスは命取りになります。どんなに試験慣れしていても、順番通りに解かないと間違える可能性があるのです。