日本維新の会の共同代表である石原慎太郎氏(80)は党内で“御大”と呼ばれている。だが、その御大は病院に龍城したまま、なかなか永田町に姿を見せない。
慎太郎氏が風邪をこじらせ、2週間程度の予定で都立広尾病院(東京都渋谷区)に入院したのが2月27日。病状についてすぐさま、「救急治療室に入ったと聞いた」「すい臓がんらしい」など、さまざまなうわさが飛び交った……。
三男の宏高衆院議員(48)=自民党=が、ある席で「命に別条はありませんが、(1月上旬に白内障の)手術して体力も落ちたので、入院してもらっています」とあいさつしたことも、「生命にまで言及した。そんなに悪いのか」と、うわさが広まる一因となった。だが一橋大時代から慎太郎氏の親友である首都大学東京の高橋宏理事長は、こうしたうわさを一笑に付す。
「もう事実上、退院しているようなもんなんだ。あいつは昔から体が弱くてすぐに熱を出していた。それに気も弱くてね、1週間に1度は『おい、愚痴を聞け』と電話してくるんだ」
高橋氏によると、慎太郎氏の妻が物を取ろうとした際、脚立から転落し、足を骨折して入院した。そのため慎太郎氏の面倒をみる人がいなくなったので、自分も病院に入ったのだという。
「入院前は、自宅で一人で憮然と酒をあおっていたよ。『都知事を辞めなきゃよかった』って口にするから、『俺の前だけにしておけ』と言ったんだけど、方々で言って回ってるんだよな。石原は今、すべてに嫌気がさしているんだ」
※週刊朝日 2013年4月5日号