芸能人による不倫が世論から猛バッシングを浴びるようになって以来、既婚男性と不倫をする女性にも厳しい目が向けられるようになった。だが、それでも既婚男性にしか惹かれないという女性は一定数存在する。その理由は一体何なのか。恋愛事情専門家でコラムニストの神崎桃子さんが寄稿した。
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「好きになった相手には奥さんと子供が……」
「なんでもっと早く出会えなかったんだろう」
独身女性がそう嘆いていたのは、もはや過去の話。今は独身男性と付き合って結婚を目指すのではなく、「あえて」既婚者を選ぶ女性も少なくない。
都内に住む40代の会社員のA子さんも、そんな恋愛に自ら足を踏み入れた一人だ。
「もちろん、人並みに結婚しようと思った時期はありました。30代のときはちゃんと婚活してましたよ。でも、そこで出会う男性をどうしても好きになれなかった……。会っても疲れるだけ。次第に好きでもない人と結婚なんてする意味があるのかなって。私はそこまでして結婚したいわけじゃないです。キャリアを積んできたので、男性の収入をあてにしなくても、ぜいたくしなければ自分でなんとかやっていけますし」
一般的に考えれば、既婚男性との不倫の恋はどうしたって独身女性には分が悪い。
真っ昼間にお天道様が見てる下で手つなぎデートもできない、寂しい夜に声が聞きたくなっても電話はできない、激しく抱き合った後でさえ家に帰る彼の背中を見送らなければならない、クリスマスもお正月も大事なイベントは家族のもの……。そんな我慢の上で成り立つのが既婚者との恋なのだ。
独身同士ならそんな制約もないのに、彼女が既婚男性ばかりを選ぶようになったのには理由がある。婚活をしていくなかで“乗り越えられない壁”があることに気付いたからだ。
「婚活してわかったのは、ある程度の年齢で結婚してない男性の多くは、コミュニケーション能力やサービス精神が欠如してるということ。お付き合いをした大半の方がそうでした。そういう男性を教育するのも面倒ですし(笑)。結局『好きになれなきゃ生理的にムリ』なんです。どうせ結婚することができないなら、不倫でも十分だと思いました。以前からちょくちょく仕事関係の男性に食事に誘われてましたし、既婚者のほうが、婚活している独身男性といるより断然楽しいし、なんというか収まりが良いんです。自然と既婚者にシフトしてました。“結婚を諦めてもまだ女は辞めたくない”という気持ちもありますしね。あと数年くらいは(笑)」