世間的にみれば非難される対象であってもA子さんからすれば、自分は奥さんを脅かす存在ではないということになる。奥さんとは欲しいものがかぶっていないからうまく回しているだけ……。

 A子さんは彼の収入や財産、結婚という法的制度を求めていない。自分の必要なときだけ彼を拝借するというスタンス。彼女は繰り返し、こう話す。

「私は彼がまるごと欲しいわけじゃない、必要なときに会ってその時間を満喫したいだけなんです」

 男性を「所有」するより「一時利用」でいいということか。

 今はオフィスも部屋も車も自転車でさえ自分では持たずにシェアする時代。自分の好きなときに、自分に都合よく使わせてもらえるなら、買わずに済む方向で考える時代なのだ。

 未来にはマイホームも、マイカーも、そしてマイダーリンも必要なくなるのかもしれない。(恋愛事情専門家・コラムニスト/神崎桃子)