エリザベス女王の国葬に参列した英王室一家(代表撮影/ロイター/アフロ)
エリザベス女王の国葬に参列した英王室一家(代表撮影/ロイター/アフロ)

 発売済みの書籍との違いも指摘されている。

『スペア』では、ハリー王子が生まれたときに、父が「よくやった。これで後継者とスペアができた。自分の義務は終わった」と述べたとされる。これで王子は兄の「予備」人生であると悟ったとする。しかし『ダイアナ妃の真実』(アンドリュー・モートン著、1992年)では、王子の誕生時に父は「また男か。それも赤毛ではないか」と言い放ったとして、ダイアナ元妃は「自分の中で何かが終わった」とつぶやいたはずだ。そのあと父は子どもの様子を見ないで、ポロに行ったとされていた。この本は当時ベストセラーになり、父の冷淡さに驚く反応があったものだった。

 既刊の書籍との内容の食い違いはまだある。オミッド・スコビーさんといえば「メーガン妃のマウスピース」と呼ばれるほど親しい仲だ。彼は王子夫妻を擁護する暴露本『自由を求めて』を2020年に出している。その中で、メーガン妃は王室入りを前に、英軍特殊空挺部隊の指導の下、誘拐を想定した実地訓練を受けたとした。しかし、『スペア』で王子は「何もしてもらえなかった」と不満を訴えている。

 また、注目されているのがメーガン妃の長い沈黙だ。王子は宣伝活動として英米のメディアからいくつものインタビューを受けた。メディア批判をしながらメディアを存分に利用すると揶揄(やゆ)されたが、対応はいつも一人だった。これまで夫妻はすべて行動を共にしてきたはずなのに……。

 特にメーガン妃の児童書『ザ・ベンチ』をニューヨークのハーレム地区の小学校で読み聞かせをしたときは、王子は子どもたちに交じって腰を下ろして熱心に聴き入り、彼女を支えた。またメーガン妃が40歳の誕生日を迎えたとき、コロナ禍で職場を失った女性たちに、40人の友人がメンターとなって復職を支援するプロジェクトを立ち上げた。その際公開した動画に王子がカメオ出演し、窓の外でジャグリングを披露。メーガン妃の言動が注目を浴びるよう努力を惜しまなかった。

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