有原航平(前日本ハム)のレンジャーズ入りが決定し、今年も新たな日本人メジャーリーガーが誕生した。これまで多くの選手が海を渡り、オフに日本人選手がメジャーに挑戦する光景は当たり前のようになった。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
だが一方で、メジャーでの活躍の可能性を秘めながら日本でキャリアを全うする選手もいる。果たして、その中には米国で通用したであろう選手はいたのだろうか……。
日本人初の大リーグスカウト・大慈彌功氏に、メジャーリーグで活躍する能力があった現役選手、そしてすでに引退しているが、その可能性があった選手などについて語ってもらった。
「中日・大野雄大は近年で最も注目していた投手。大崩れしないスタイルを作りあげたのが大きい。数年前から勝負球として使えるようになったチェンジアップが、特に右打者に対して有効。契約内容次第では、先発として獲得に手を挙げる球団はいくつもあった」
サウスポーの大野は、昨シーズン11勝6敗、ともにリーグトップとなる148奪三振、防御率1.82をマーク。また10完投(うち6試合は完封)と抜群のスタミナと安定感を披露し、沢村賞も受賞した。オフにポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦も噂されたが、最終的に中日残留を選んだ。
「やはり左投手は重要視される。特にMLBで活躍できる条件は、右打者の外側の出し入れができるか。はまったのが柏田貴史(メッツ)。左打者対策のワンポイントということで見られがちだが、右打者の外側へしっかり投げられた。また米国キャンプ中にスクリューを習得したのも大きかった。同じく高橋尚成(メッツなど)もスクリューがあって、右打者の外側で勝負できた」
柏田は巨人在籍中の97年に、野球留学の形でメッツの春季キャンプに参加。パフォーマンスが認められ同球団と契約を結んだ。その年に35試合に登板して3勝1敗、防御率4.31を記録し、翌年に巨人に復帰した。高橋は巨人で長く左のエースとして活躍し、10年オフに海外FA権を行使し、メッツとマイナー契約。メジャー在籍4年間で、4球団でプレーし、168試合の登板で14勝12敗、13ホールド、10セーブ、防御率3.99の成績を残した。14年には日本に復帰し、2年間DeNAでプレーし現役生活を終えた。