「症状が重い人は医療機関の処方薬がお薦めで、症状が軽い人や今まで使っていなかった人は市販薬でも十分です。今年はリモートワークで自宅にいる時間が長い。花粉症の薬は眠くなるから使いたくないという人も、一度、試しに使ってみてもいいでしょう」(同)

 薬局やドラッグストアで購入する際は、薬剤師や登録販売者に相談を。

 一方で、点鼻薬や点眼薬は処方薬のほうがよさそうだ。市販の点鼻薬は血管収縮作用があるので、使いすぎるとかえって鼻が詰まることがある。市販の点眼薬も副作用が出やすいものが多い。

 鼻の粘膜を焼くレーザー治療もあるが、「今は勧めない」と大久保さん。

「粘膜は異物を排除する働きがあります。レーザーで鼻粘膜を焼いてしまうと、その部分の防御力が落ちます。理論上は新型コロナにかかりやすくなります」

 目の症状がある人はゴーグルやメガネを使用する。これで花粉の侵入や目を触ってしまうことを防げる。しかし、前出のマユミさんのように、目のかゆみがひどく、思わずかいてしまったり、触ってしまったりしたときはどうすればよいか。

 花粉症の人には、専用の防腐剤無添加の目薬(人工涙液)を使った洗眼がセルフケアとして推奨されている。

「これがコロナ対策になるかは、今のところわかっていません。ただ、使う場合は、目の縁にウイルスが付いている可能性があるので、メイクを落とし、洗顔をしてからの使用をお勧めします」(同)

 新型コロナで結膜炎が起こる頻度は1~3%といわれている。帝京大学医学部附属病院眼科准教授の三村達哉さんは、「こすってしまったらまずは洗眼を。それでも充血や目やにが残るようであれば、眼科で診てもらってください」と話す。

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年2月12日号より抜粋

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