岩田:この映画は、生きる目的を探す「残された人たちの物語」だと感じました。ちょっとしたきっかけで、誰もが人生が大きく変わってしまう可能性がある。そんな大きなメッセージを持った作品です。今、まさにコロナ禍で苦しみ、追い詰められている方も多いと思います。この映画は決して「命を大切に」という作品ではないし、ある種、救いのない物語ともいえるかもしれない。ただ、見る人に何かを考えさせ、思いとどまらせるパワーはあると思っています。

——所属する三代目J SOUL BROTHERS(以下、三代JSB)では最年少。実生活でも末っ子だが、今回の映画では幼なじみ役のキャスト3人のなかでもっとも年上だった。

岩田:撮影時は山田杏奈ちゃんが10代、まっけんは20代。若者たちはもうテンションが違うんですよ(笑)。でも現場は楽しかったし、勉強になりました。特にまっけんは、ある意味サラブレッドで、そうしたものが表現や立ち振る舞いに自然に出ている。僕にはないものをたくさん持っているなあ、と思いました。

——10代でダンスと出合い、大学在学中にデビュー。三代JSBは昨年11月、デビュー10周年という大きな節目を迎えた。つまり、岩田自身もデビューから10年を経たことになる。

岩田:7年間、メンバーも代わることなく続けてこられたので、改めて「やっぱ仲いいな、俺ら」と思いました。特に一人一人がそれぞれ責任感を意識するようになったと感じます。それは社会人としての成長なのかもしれません。でも、この仕事は結果を出していかないと次につながらない。「危機感」は常に持っています。これからもその思いを持ちながら、メンバーと全力でやっていきます。

——この10年でパフォーマーとしてはもちろん、役者としても着実に作品を重ね、力をつけてきた。

岩田:ダンスは体に染みついているのですぐに思い出せますけど、演技は続けてやっていないと、感覚を思い出すのに時間がかかるので難しい。半年や1年くらい間隔が空くと、どうやってカメラの前に立っていいかわからなくなって、クランクインの日は毎回パニックです。ただ、この作品は地方ロケだったこともあり、映画の世界観に浸ることができました。ずっとキダでいられて助かりました。

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