コロナ禍で外出自粛によって身体活動が減ったことで、筋肉量の低下や基礎疾患の悪化などの2次被害リスクが懸念されてきた。身体機能と認知機能が低下し、要介護状態になりやすい「フレイル」もその一つだ。高齢者のものと捉えられがちだが、若年層にもそのリスクが忍び寄っている。AERA 2021年2月15日号は「フレイル予備軍」を特集。
【アンケート】コロナ下で運動を始めた人と動かなくなった人で二極化している?
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コロナの状況下によるテレワークが始まって、もうすぐ1年が経とうとしている。
「会社に行かなくていいって、こんなに楽だったのか!」とテレワークを満喫してきた在宅組に、今、静かな異変が起きている。
仕事はリモートが主になっているという都内在住の50代女性はこう話す。
「外出が減ったのでその分確実に運動量も減っていると思います。スポーツジムには入っていますが、案外人も多くて、利用を躊躇(ちゅうちょ)しがち。先日久しぶりに自転車に乗ったら足の力が弱っていることに気づきました」
動かない分、食事の量は以前より減らすように心がけているという。別の女性もこう言う。
「以前は電話しながら歩いて移動するなど、多い日で100分は歩いていました。今では、在宅の場合、部屋とトイレの往復で歩数200歩ほど。地下鉄の階段で息切れします」(福岡県在住・30代女性)
さらに若い20代女性でも「外回りもなくなり、在宅勤務になったので運動しなくなり、階段で1階上がるだけでしばらく息切れしてしまう」という有り様だ。
在宅の日の歩数をスマホで確認して愕然(がくぜん)とする。たまに出勤すれば、それだけで翌日まで疲れが残って、また愕然……。身に覚えがあるあなたは、要注意だ。
■2次被害リスク高まる
昨春に緊急事態宣言が出された頃から、コロナの健康2次被害のリスクが指摘されてきた。外出自粛によって身体活動の機会が減った結果、懸念されるのが筋肉量の低下や基礎疾患の悪化、認知機能の低下などの2次被害だ。