巨人の丸佳浩(C)朝日新聞社
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 セ・リーグの勢力図が変わったのは、巨人丸佳浩が2018年オフに広島からフリーエージェント(FA)移籍したことが大きく影響している。広島では16年からリーグ3連覇を達成。巨人でも2年連続全試合出場でリーグ連覇に貢献した。

 広島は丸が抜けた後の19年は4位、佐々岡新監督が就任した昨年は5位と低迷している。

「丸が抜けた穴は攻守で大きい。FA移籍の際、広島に残留する可能性はありました。丸が長期契約を望んだのに対して球団が難色を示し、巨人に移籍したと言われています。結果だけを見れば広島は非難されるかもしれませんが、長期契約はリスクがあります。西川龍馬という後釜もいる中で広島のフロントも苦渋の決断だったと思います」(広島のテレビ関係者)

「1人5連覇」を達成した功績は大きい。昨年はシーズン途中に骨折したにもかかわらず、チーム唯一の全120試合出場で打率2割8分4厘、27本塁打、77打点。5年契約3年目の今季も厄介な存在だが、他球団のあるスコアラーはこう分析する。

「配球を読んで打つ選手で、勢いに乗ったら手が付けられない。ただ、広島時代のほうが怖かった。今は脚力が落ちてピークを越えたかなとも感じます。昨年は調子がなかなか上がらず、6番を打っていたこともありましたしね。スランプに入ると長いので、眠らせておきたいです」

 昨季はコロナ禍で調整が難しいシーズンだったことは差し引かなければいけないが、中堅の守備では他の外野手とお見合いするなど精彩を欠いた場面が散見された。13年から7年連続でゴールデングラブ賞を受賞していたが、昨季は選出されなかった。

「丸は今年も中堅ですが、決してポジションが安泰というわけではない。巨人は今オフ、本職が中堅の梶谷隆幸をDeNAからFAで獲得しています。丸が守備で精彩を欠くようだと、刺激を入れるために脚力がある梶谷を中堅で使う可能性があります」(スポーツ紙遊軍記者)

 長丁場のシーズンでは結果を残してきたが、日本シリーズではすべて敗れている。今年こそ、日本一に輝いて喜びたい。(中町淳)

※週刊朝日オンライン限定記事