■14年書籍化で大ヒット
書籍化されたあとも、俺はすべての作品をサイトに残しています。素人臭さがぬけていないっていうのもあるんですけど、ファンにそっぽ向かれるのがすごく怖いんですよね(笑)。編集さんの手が入っていることもあり、書籍版のほうがお話の完成度としては高いと思うんですけど、サイトの原作って特にお話の方針に関わらないユーモアのところが残されていて。そっちが好きな人もいますし、書籍のほうが好きな人もいるので、そう考えると、書籍と「なろう」は違うものだっていう認識です。
「なろう」から人気作品が多く生まれているのは、『ONE PIECE』を読みたくてジャンプを買った人が、他のも読んだら面白くて、『鬼滅の刃』みたいにどんどんヒット作が生まれるのと同じでしょう。「なろう」の場合、読み手が書き手側になって、才能ある人が出てきたということだと思います。
運もあり、おかげさまでリゼロは最後まで書かせてもらえるんじゃないかなというくらいの人気をいただけました。今後も変わらず、バーミヤンの決まった席で日替わりランチを食べながらリゼロを書いていきます。
※AERA 2021年2月22日号