確かに、トレーニング系の研究においては、体重(kg)×1.5~2.0g/日ほど取った人が、それ以下の摂取量だった人よりも筋たんぱく合成レベルが高くなったという報告もあるようです。しかしこれらの実験の対象者は、筋トレ実践者の中でもしっかりとトレーニングを追い込んでいる人がほとんどです。ですので、そこまで筋肉増量のためのトレーニングに励んでいない一般の人にとっては、不要な摂取量と考えられます。

 もしも、仮に自分の身体に対して必要以上のたんぱく質量(代謝できない量)を摂取していたら、その分はカロリーオーバーとなり“やせない原因”となり得るでしょう。特に女性で、ハードな筋トレをしていないのにたんぱく質をたくさん取っている人は、少し摂取量の見直しをしてみてください。

2)必要なたんぱく質をとれる食材例

 次に、いくつかの食材に含まれるたんぱく質量を見てみましょう。

《食材(量):たんぱく質含有量》
サバ1尾(96g):20g
鶏むね肉(100g):19g
白米(300g):7.5g
木綿豆腐(150g):10g

 上記食材のたんぱく質量を合算すると56.5gとなります。1日3食の中で、サバ、鶏むね肉、豆腐とたんぱく質源を取り、お米も毎食1膳未満食べるだけでも、多くの人にとって必要なたんぱく質量は摂取できるということです。あえて、プロテインやサラダチキンなどを間食として取る必要はなさそうです。

3)やせるためのたんぱく質の取り方

 最後に、たんぱく質の摂取量を各自の生活に合わせてアレンジする考え方をお伝えします。つまりは“活動量に合わせて摂取量も変動させよう”という考え方です。

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それでも「ダイエットにはたんぱく質」と言われる理由