不安感が前進のきっかけになる( jessie / PIXTA)
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西野一輝さん(イラスト)
西野一輝さん(イラスト)

 人事異動や転職など、新たな職場環境に変わる人が多い4月。これまでと違う上司や同僚に不安を抱える時期と言えます。厄介な人物への対策を『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新聞出版)として上梓した経営・組織戦略コンサルタントの西野一輝氏が、新しい環境での人間関係構築術を提案します。

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 取材したDさんは、昨年の4月に転職。当初は新しい職場環境に不安を抱いていましたが、同僚は「何でも聞いてね」とやさしい言葉をかけてくれて心配はすぐに解消されたそうです。

 ところが100日経ったあたりから周囲の接し方が一変。注意される機会が増えていったようです。さらに成果が出ていなかったこともあり、自信を失い、会社を辞めることも考えたとのこと。振り返れば、100日間、自分の仕事ぶりは周囲から観察されていたのでした。そのうえでいまの会社に合わないことをドンドン注意されるようになったのです。

 新たな職場に変わってから一定の期間は、周囲は暖かい目で支援をしてくれるもの。いわゆるオン・ボーディングと呼ばれる、組織やサービスに新たに加入した人に手ほどきや支援を行い、定着を促し慣れてもらう活動を行う会社が大半かもしれません。

 その時は、たとえ仕事に対して上手く成果が出なかったとしても、慣れるまでは時間がかかるもの、と周囲もやさしく接してくれる傾向が出てきています。

 ただ、問題は“ハネムーン期間”を過ぎると、周囲の状況が変わる可能性があるということです。それまでは特に何も言われなかった自分の言動に対して、同僚や上司から「気になるので注意させてもらいます」とか「この会社でやっていくなら心がけて欲しいことがあります」と指摘されたりするのです。

 では、入社や異動、転職に伴い、新しい職場で働く人は、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか?

 ハネムーン期間の周囲がやさしい状況がいつまでも続くがないことを踏まえて、新たな職場での仕事に取り組むことが重要だと思います。

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