韓国人から批判を受けている道渕(c)朝日新聞社
韓国人から批判を受けている道渕(c)朝日新聞社

 今季から韓国Kリーグ2部の忠南牙山FCに加入したMF道渕諒平が選手生命の危機に瀕している。道渕は昨年10月、交際していた女性へのドメスティック・バイオレンス(DV)行為が写真週刊誌「フラッシュ」で報じられ、J1・ベガルタ仙台を同月に契約解除された。その後はテスト参加した忠南牙山FCに加入し、リョウヘイの登録名でプレー。2試合出場で2得点1アシストとチームの中心選手として活躍している。

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 一体何が起きたのだろうか。

「忠南地域の約50の市民団体が集まった『忠南牙山FC諒平退出のための共同行動』が記者会見を開き、道渕と飲酒運転の前歴がある韓国人選手の即刻退団を要求する声明を発表したのです。道渕に関しては家族連れ、子供たちが応援するホームの試合で起用したことを特に問題視し、『結果を出せば他人に加えた暴力は問題ないという間違った認識がまかり通ってしまう』と訴えています。忠南牙山は昨年からホームタウンを牙山市とする『市民クラブ』に移行したばかりで、市長がクラブオーナーを務めています。税金がチームの強化費に充てられていることから、市民の理解を得られなければチームの存続危機に関わる。反対運動が過熱し、プレーするのが困難になる事態も想定しなければいけません」(韓国のサッカージャーナリスト)

 道渕の能力は文句ない。ボランチ、サイドハーフ、ウイングバックなど中盤ならどこでもこなし、豊富な運動量と正確なロングパス、ミドルシュートに定評がある。攻撃の起点になるだけでなく、フィジカルの強さを生かしてボール奪取能力も高い。Jリーグで高いパフォーマンスをみせる成長著しい若手は日本代表に呼ばれる可能性も十分にあった。

 ところが、昨年10月20日の写真週刊誌の報道で、交際していた女性への傷害容疑で宮城県警に逮捕されていたことが判明。自分の喉元に包丁を突きつけながら「死んでやる。一生後悔し続けろ」と罵り続ける映像や、言葉の暴力で相手を執拗に脅すライン上のやり取りが掲載され、衝撃を呼んだ。道渕を事情聴取した仙台は「秩序、風紀を著しく乱す内容が含まれていた」と発表し、道渕との契約解除を発表した。

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