中学生の頃は、ラルクやサザン、平井堅さんなど、歌のモノマネをよくしていたんです。あとは子どもの頃からジャンルを問わず、いろんな音楽を聴いて歌って育ちました。特定のアーティストに深く入れ込むことはなく、浅く広く聴くタイプです。そのおかげか、自然とインプットはたくさんできていた。歌だけでなく、曲を作る際もたくさんのインプットをもとに、日常の悲しみ・苦しみ・喜びを投影して、そこにフィクションを加えています。



――幼少期から学生時代にかけて、WANDSの曲にはどう触れてきましたか。

 年の離れた兄がいたので、『時の扉』や『もっと強く抱きしめたなら』などは、幼いころから自然と聴いていました。でもやはり、一番印象が強いのは「スラムダンク」のエンディング曲『世界が終るまでは…』です。リアルタイムでも見てはいましたが、まだ幼かったので、淡い記憶です。原作とアニメに本格的に触れたのは、中学生ぐらい。カラオケに行けば必ず誰かが歌っていたし、僕自身も歌っていました。まさか自分がWANDSとして歌い継ぐことになるなんて、当時は思いもしませんでしたが(笑)。

――バンドメンバーの柴崎さん・木村さんは、上原さんが幼少の頃からすでに活躍しているベテランです。年齢差もありますが、どのように接しているのでしょうか。

 お二人は長年プロとして活躍しているのに、僕のような後輩にもすごくフランクに接してくれて、心地がいいです。顔合わせ直後の頃も、僕の緊張を悟ってか、向こうから話しかけてくださいました。伝説と呼ばれるバンドの後釜として入る新人を、気遣ってくれたのだと思います。お二人は心の底から尊敬できますし、自分もいつか後輩ができた時にこうなりたい!と思いますね。

――4月7日発売のDVDには、11月1日に配信された無観客ライブが収められています。ライブを振り返ってみて、いかがでしたか。

 難しかったですね。お客さんのいない中で歌ったのは、「WANDSの活動としては」初めてでした。今までで一番緊張したかもしれません。見ている人たちが、ファンではなくスタッフだったので、厳しいまなざしが注がれて緊張しましたね(笑)。
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