親の思い込みや希望で作ったスケジュールはすぐに破綻します。実際にやるのは子どもですから、計画を立てながら「この日はこれをできるかな?」と子どもにたびたび聞いてみてください。そうすると子どもは「算数をやった後は疲れているから、次は国語がいい」「理科は15分ずつ分けてしたい」というように話します。子どもの要望を入れながら計画を立てるのがうまくいくコツです。一緒にスケジュールを考えていくうちに、子どももこの計画を実行するためには、「YouTubeをダラダラみている時間はないな」「いつまでもゲームをやっている場合ではない」と身にしみてきて現実的になることができます。
――コロナ禍で、家庭学習の大切さが再認識されました。
佐藤ママ:コロナ禍も2年目ですから、1年目の経験と反省を生かしてほしいと思います。この1年で「オンライン」での学習が定着してきて、ますます家庭によって学力に差がでると感じています。コロナ以前は、塾や教室という環境によって「強制」される面がありましたから、通わせればある程度学力は身に付いていたのですが、オンラインでいつでも自宅で学べる方法はその向き合い方で成績に大きな差が出てきます。家庭環境が大きく影響してくるところが、なかなか難しく怖いところでもあります。
例えばある子どもは、好きな時間にただ授業を聞いているだけ。別の子どもは時間を決めて、塾と同じようにノートを開き、リアルな塾に通っていたのと同じ態度で授業を受ける。どちらの子どもが、授業の内容をより身に付けられるかは明らかです。実際、塾にお話を聞くとオンライン授業の受け方で、成績に差が出始めているそうです。やはり、家庭での親御さんの役割がより大きくなっているのが分かります。
――今年から始まった大学入学共通テストは、読解力が必要です。これも一朝一夕には身に付かない力です。
佐藤ママ:今年の第一回共通テストは、長い文章を読み慣れていないと解けない問題ばかりでした。日本語の読解力こそ、日ごろの習慣が大事です。家庭の中に、活字があちらこちらに転がっている環境が大事です。読むのに時間がかかる本を子どもに日常的に読ませるのは難しいので、私は新聞記事をおススメしています。共通テストに必要な新しい時事問題にも日常的に触れることができるので、子どもの精神年齢も成長します。
習慣や積み重ねを、後からなんとかしようとするのは至難の業です。今の時代こそ、親の関わり方や家庭環境が子どもの人生を大きくわけることになるのだと、しっかり心に留めてほしいですね。
(まとめ/AERAdot.編集部 鎌田倫子)