坂口佳穗(撮影/平野敬久)
坂口佳穗(撮影/平野敬久)
坂口佳穗(撮影/平野敬久)
坂口佳穗(撮影/平野敬久)

 ビーチバレーボールといえば、灼熱のビーチをダイナミックに舞うスポーツ。小麦色の肌に身を包む選手たちのはじける汗とその笑顔はいつも眩しい。かつて、『ビーチの妖精』と呼ばれた浅尾美和が一躍このスポーツをこの世に広めた。しかし、浅尾が引退した現在でも妖精に負けない光り輝く個性を持つ若き『ビーチの女神』たちは存在する。4回に渡ってビーチの女神の武器とその横顔を紹介してきた連載最終回(第1回は鈴木千代、第2回は坂口由里香、第3回は村上礼華)を飾るのはこの人、坂口佳穗(マイナビ/KBSC)・25歳だ。

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 いまさら詳しいプロフィールの紹介は必要ないかもしれない。大学卒業後、プロ選手となり今年で4シーズン目を迎えた坂口は、すでにビーチバレー界のアイコン的存在になった。高校時代に芸能活動をしていたことも、異色のエピソードとして知られている。

「あの頃はオーディションを受けても受けても、落ちまくる日々。やっと受かったのが、土曜日のお昼にBSで放送されている『BSブランチ』(BS-TBS)でした。受かった時は凄くうれしくて、『BSブランチガール』として1年間出演していました」

 芸能活動をしていたのは、小さい頃からスポットライトに当たりたいと少なからず考えていたからだ。しかし、坂口は出演期間が終了すると、芸能界でさらに上へ這い上がろうと思わなかった。

「自分の中で「もう、もういいか!」と踏ん切りがつきました。でもそこに行きついた理由はあまりポジティブではなかったと思います。『自分が、自分が』と出ていかないといけない世界で、自分には向いていないと思いました。事務所を辞めて、将来はキャビンアテンドか看護師になりたいと思ったので猛勉強に励みました」

 しかし、その夢はすぐに方向転換した。大学受験勉強の最中、ひょんなことからビーチバレーと出逢ったからだ。太陽の光を浴び、音楽やMCが華を添える砂のコートが、極上のステージに見えた。そこには坂口がこれまで見たことのない、やったことのないバレーボールがあった。そこで再びスポットライトに当たりたいと思った。

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「私は妖精にはほど遠いです」