「自宅にネット回線がない人にもおススメ。平日は使わず土日だけ1回200円ずつ払っても、1カ月2千円弱。プロバイダーと契約するよりお得です」(三上氏)
三上氏は、海外へ行く機会が多い人は「ahamo一択」だと言う。
「画期的なプラン。通常、日本で契約したスマホを海外で使うと別途、料金がかかりますが、ahamoは通常プランに海外でのデータ通信も含まれる。82カ国・地域で使えて、SIMの切り替えなど面倒な作業も不要です」
大手3社の牙城を崩したい楽天は1GBまでなら0円、3GBまでなら980円、20GBまでなら1980円(いずれも税抜き)と、料金可変の「Rakuten UN‐LIMIT VI」を開始。LINEに似たトークアプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話とSMSが0円になる。加入者は楽天市場のポイント還元率が高まるのもお得だ。
弱点は基地局が少ないゆえの通信の不安定さ。4GのLTE回線などで約99%の人口カバー率を誇る他3社に比べ、楽天は2020年末時点で73.8%。三木谷浩史社長は目標を5年前倒しして基地局設置を進め、21年夏ごろに人口カバー率96%を達成すると宣言している。カバー未達エリアは、提携するauのネットワークを間借りする「ローミング」を実施中だ。
「契約上、楽天のカバー率が7割を超えたエリアについてauは契約を切ることができるそうです。これにより、川崎駅などは一時期auローミングができず圏外になりました(現在解消済み)。ただ、楽天は基地局設置を頑張っているので、ずっと続くことはないでしょう」(三上氏)
もう一つのポイントは、800メガヘルツ前後の周波数帯、通称「プラチナバンド」だ。建物の壁など障害物の影響を受けにくく屋内にも通話・通信に必要な電波が届きやすいが、すでに大手3社に独占され空きがない。楽天が割り当てられているのは1.7ギガヘルツ帯の電波のみで、地下や屋内には届きづらい。auローミングがなくなればプラチナバンドも使えなくなり、エリア内でも接続できない場所が発生しかねないのだ。楽天モバイル広報部は「両社合意の上で一部エリアを終了する」と認めつつ、こう話す。