料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「そら豆のまるごとチーズ焼き」。
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そら豆がおいしい季節になりました。豆をさやから取り出すと、まるでおふとんみたいな白いワタが付いていますよね。このさやを捨てずに利用できないかしら?と思って作ってみたのがこちら。
そら豆をさやから取り出す時はちょっと注意が必要。さやは器として使うので、できるだけ切り離さずていねいに開いてください。豆は塩ゆで前に黒い爪の反対側に浅く包丁で切り込みを入れておくと、つるっと中から豆が飛び出して食べやすいです。うまみを残すために、ゆですぎないようにしてくださいね。
塩ゆでと並行し、さやの白いワタをスプーンでこそげ取ります。器にするさやにワタを均等にのせてください。そして粉チーズと黒胡椒をふったら、オーブントースターで表面にこんがりと焼き色を付けます。魚焼きグリルを使ってもいいですよ。
面白いことに、ワタにも豆の風味があるんです。チーズのコクと黒胡椒のスパイシーさが引き立ち、ビールと相性抜群です。
(構成/沖村かなみ)
■そら豆のまるごとチーズ焼き
【材料】(2人分) そら豆約10本、塩小さじ1、粉チーズ適量、黒胡椒適量
【作り方】(1)そら豆のさやをていねいに開き、豆を取り出して、黒い爪の反対側に包丁で浅く切り込みを入れる。さやは取りおく。(2)鍋でたっぷりの湯を沸かし、沸騰したら塩を入れ、そら豆を2分程度ゆで、ざるにあげる。(3)そら豆のさやのワタをスプーンでこそげ取る。4本のさやを開いて器に見立て、ワタを均等にのせる。粉チーズと黒胡椒をたっぷりとふり、オーブントースターで表面をこんがりと焼く。ゆでた豆と一緒に皿に盛り付ける。
【ワンポイントアドバイス】そら豆は包丁で浅く切り込みを入れておくと、中から豆が出てきやすい。ふわふわのワタは、なるべくつぶさないようにスプーンでこそげ取る。
※週刊朝日 2021年4月23日号