香取 新しすぎず古くない感じはありました。年々新しいジャンジャカしたものも出てきて、やりたい気持ちはありましたが、それはちょっと違うと。ステージでも新しいものをやっても反応はいまひとつでした。
橋田 そういう「ほどの良さ」が私の世代に合っていた。それでずーっとついていった。香取さんにとってスマップとはどんな存在でしたか。
香取 約30年ですから。生きる勉強をさせていただきました。
橋田 自分を見つめるまでに成長させてもらった、というのはよくわかります。5人でいろいろな人と比べられながら勉強したと思います。
香取 40年生きてきたうちの30年ですから。自分のすべてですね。それがあるからこそ、今もこれからもあると思います。
橋田 いい30年を過ごしたからこそ、これからの人生の選択ができると思う。そろそろ結婚したら人生、地に足が着いてきますよ。
香取 最近、人生の先輩たちが結婚を勧めるんです。萩本欽一さんとお話しさせていただいた時も結婚しないのかと言われました。なぜみんなそう言うのかな。
橋田 家庭を持つと自分の才能を開花できると思う。逆に家庭に縛られて自分のエネルギーを女房に取られてしまうと嫌がる人もいる。価値観の違いというか個性の違いです。あなたが嫌いならいいと思います。
香取 それほど嫌いという訳ではないんですが。
橋田 結婚して子どもを持つと変わりますよ。子どもができなかった私が言うのもなんですが。
香取 あまり子どもとか考えたことはないです。
橋田 いい意味で自分が子どもだものね。
香取 そういうところはあります。子どもの人生を考えるより、まだまだ自分が何かしたいという気持ちが強い。もっと自分を見たいという感じです。
橋田 それを後押ししてくれる人と巡り合えたらいいと思う。昨夜みたいに酒をそんなに飲まないほうがいい。親みたいなことを言ってごめんなさい(笑)。
香取 そう言ってくださってうれしいですよ。
橋田 香取さんは前と違って何か自信を持たれたような気がします。それで、明るくなられた。
香取 今までのルーティンとは違う形で仕事をするようになりました。今までは行って(仕事を)やって帰るパターンが多かった。今は一つひとつの仕事を話し合いながら決めていく。今日もそうですし、「おじゃMAP!!」でも番組作りで仲間と十分に話し合う。
橋田 今は自由にできるでしょ。何度も言うけれど私はあなたたちが出て良かったと思います。