山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種がやっと始まった日本(C)朝日新聞社
新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種がやっと始まった日本(C)朝日新聞社

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「新型コロナウイルスワクチン接種が進む世界と遅れる日本」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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「ワクチン接種の予約に電話したけれど、電話が全くつながらなかったわ……」先週19日から高齢者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されましたが、滋賀県に住む祖父母は、ワクチン接種の予約すらできなかったと電話がありました。大阪に住む祖母には、案内すら届いていないようです。

 とはいえ、全国で高齢者の集団接種が開始され、勤務先のクリニックでも、5月中旬ごろから高齢者を対象にワクチン接種が開始予定となり、あわただしく準備を進めている様子です。集団接種に行く前にワクチンを摂取できるのか心配でしたが、クリニックに勤務する私も、ようやく先々週末(4月17日)に新型コロナウイルスのワクチンが4月末に接種できるという知らせが届きました。

 第4波とも言われている昨今、38度を超える発熱を認める患者さんが増えてきており、また濃厚接触者としてPCR検査を希望される方も増えてきています。新型コロナウイルス感染症を疑う患者さんが来ない日はありません。PCR検査を行わない日はないにも関わらず、新型コロナウイルスワクチンをまだ接種できていない中で診療を続けていることに、そしてこのままではワクチン未接種のまま、集団接種に参加することになってしまうと、とても不安を感じていましたが、ようやくワクチンを接種できそうです。

 さて、昨年12月8日に英国で開始されたのを皮切りに、世界各国で接種が進んでいる新型コロナウイルスワクチン。One World in Dataによると、4月17日時点で世界の累計接種回数は8億9000万回を超えています。国別に見ると、米国(2億587万回)、中国(1億8,809万回)、インド(1億2,262万回)、英国(4,211万回)の順に多く、一方の日本は85万回と、圧倒的に少ないです。

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1回接種した人はイスラエルは60%以上、日本はたった0.9%