鈴木光さんのように、東京大在学中に芸能活動をする女子学生をテレビ、映画、舞台などで見かけるようになって久しい。その嚆矢となるのは1960年代、歌手の加藤登紀子さんであろうか。

 1990年代以降は高田万由子さん、菊川怜さん、八田亜矢子さんらが知られている。いわば東大生タレント、東大生アイドルである。

 彼女たちは東京大受験にどう取り組んだのだろうか。「東大生アイドル」は合格体験記を出している。いくつか紹介しよう。

 高田万由子さんは1990年に白百合学園高校から東京大に入学した。在学中、「たけし・逸見の平成教育委員会」(フジテレビ系)のほか、ドラマに出演していた。

 高田さんは『サクラサク。わたしの東大合格物語』(ビジネス社 2000年)で、東京大合格までの勉強法を披露している。同書によれば、日本史は以下のように学んでいた。

「教科書を始めから終わりまで欄外の注もすべて、重要な箇所にアンダーラインを引いては、書き出してノートをつくりながら、一通り全部読み通す。この一通り全部読み、とにもかくにも最後までいくことが大事。メモ用紙に書きながら覚えたり、声を出しながら覚えたり、どんな方法でもいいから、どんどん頭に入れていく。ちゃんと覚えられたかどうかをチェックするために問題集を解いて、ここでとりあえず終了」

 古文は次のような勉強法である。

「古文は原文と現代語訳を対にして、家の廊下にベタベタ貼り、洗面所の壁も貼り紙だらけになっていました。歯みがきをしながらでも何となくではなく、しっかりと意識して覚えていく。いつの間にか、家族中が『枕草子』とか『竹取物語』、『徒然草』や『平家物語』の古文単語を覚えていました」

 なお、センター試験、東京大の二次試験はフランス語で受験している。

 菊川怜さんは桜蔭高校出身。1996年、東京大理科一類、慶應義塾大医学部、早稲田大理工学部に合格した。東京大工学部建築学科卒業。在学中にスカウトされ、女性ファッション誌「Ray」の専属モデルとなった。「英語でしゃべらナイト」(NHK)に出演し、その後、数多くのドラマに出て、主役を演じたこともあった。

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「やるぞ!という気持ちがあれば眠くならない」